Japanese
English
特集 目からウロコ 内視鏡時代の臨床解剖
《耳領域》
鼓室形成術における中耳解剖
Anatomy of middle ear cavity for tympanoplasty via transcanal endoscopic ear surgery
伊藤 吏
1
,
欠畑 誠治
1
Tsukasa Ito
1
,
Seiji Kakehata
1
1山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科講座
pp.398-404
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201731
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POINT
●耳内視鏡はこれまで顕微鏡下耳科手術の補助的な役割として用いられてきたが,ビデオシステムの高精細化により,外耳道から内視鏡を挿入してすべての操作を内視鏡下に行う経外耳道的内視鏡下耳科手術(TEES)が普及してきている。
●TEESでは直視鏡と斜視鏡を併用することにより,顕微鏡では観察が難しい前鼓室や後鼓室,鼓室峡部も拡大視が可能であることを,鼓室形成術Ⅰ型の症例にて示す。
●TEESによる真珠腫症例の手術では,鼓膜張筋ヒダの同定,穿破,前方換気ルートの確保が重要である。
●従来の顕微鏡下での手術解剖とは異なる,内視鏡による中耳解剖を十分に理解したうえでTEESを行えば,死角の少ない安全で低侵襲な鼓室形成術を行うことができる。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年5月まで)。
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