薬剤
内耳性難聴並びに耳鳴に対するATPの効果
高倉 稔
1
1盛岡市立病院耳鼻咽喉科
pp.707-710
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202903
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
最近ATP(Adenosine triphosphate)の薬効に対する医学会の関心が高まり,各科領域に於ける試用成績の報告が見られるようになつた。耳鼻咽喉科学の領域では特に内耳疾患に対する治療薬剤として試用されている。内耳性難聴及びそれに伴う耳鳴は,未だその病因の全てが明らかにされたとは言えない状態にあり,従つて有効であろうと推測された薬剤もその試用成績は必ずしも満足すべき結果を得ることができないのが常である。今回興和新薬よりATP(アデホスコーワ)の試供をうけたので臨床例に試用してみた所,従来慣用されていた他種薬剤に比して,多少とも優れていると思われる成績を得ることができたので記載する。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.