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特集 見逃してはならない耳鼻咽喉科疾患—こんな症例には要注意!
《鼻領域》
アレルギー性鼻炎かと思っていたら血管運動性鼻炎だった!
Differential diagnosis of vasomotor rhinitis and allergic rhinitis
洲崎 勲夫
1
Isao Suzaki
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学講座
pp.1024-1027
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201869
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Case
患者:46歳,女性
主訴:くしゃみ,鼻汁
病歴・経過:数年前より早朝に強い水様性鼻漏とくしゃみ症状があり,近医内科でアレルギー性鼻炎と診断され,抗ヒスタミン薬を処方されていた。最近,食事時や外出した際などに症状が強くなってきたため,かかりつけ医を受診したところ,耳鼻咽喉科での精査を勧められ当科を受診した。詳細な問診を行うと,症状は数年前より出現し,季節による変化はないという。初診時の鼻鏡所見は,下鼻甲介粘膜の浮腫様腫脹と,水様性鼻漏を認めた。鼻副鼻腔X線検査では明らかな異常陰影は認められなかった。本人が原因精査を希望したためにアレルギー検査を行った。鼻汁好酸球テストでは有意な好酸球増多は認めず,血清特異的IgE抗体定量検査は陰性で,鼻粘膜誘発テストでも明らかな原因抗原の同定には至らなかった。
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