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耳鼻咽喉科領域におけるハービタ使用小験
河田 政一
1
,
石沢 博子
1
,
伊波 恒雄
1
,
坂本 守
1
1九州大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.162-165
発行日 1960年1月20日
Published Date 1960/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202399
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I.緒言
ビタミンHは1916年,Batemannに依つて発見された卵白障害防御物質であり,Györgyはこれについて研究を進め,1940年に,すでにそれ迄に発見されていたBiotin,Coenzyme RとビタミンHは同一物質である事を明らかにした。更に1941年にはDu Vigneaudがその単離に成功し,1943年にはHarris等に依つて合成されるに至つた。
ビタミンHは哺乳動物にとつては必須栄養素であり,この欠乏に依つて種々の皮膚変化を来すが,人間に於いてもその欠乏により,落屑性皮膚炎,皮膚の乾燥,角化異常等をおこす事が報告されている。ビタミンHは正常状態においては,腸内寄生細菌に依つて合成され,食餌から摂取する必要はないが,卵白の様にこれと結合して無効にする物質の過食や,腸内細菌の繁殖を制限する抗生物質の投与などによつて欠乏症があらわれる。
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