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喉頭カメラの試作—喉頭写真撮影の史的考察
切替 一郎
1
,
鈴木 淳一
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.757-763
発行日 1959年10月20日
Published Date 1959/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202322
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諸々の現象の忠実な記載から,自然科学は始まつた。これは医学においても同様である。言葉による記載から,写生,写真,電気的,機械的記録と,実に科学はまた記録に終るといつても過言ではない。吾々医学の分野では観察の難しい場所の写真撮影はいろいろな意味で大へん望ましいことである。とくに喉頭像の写真撮影は,初めて人間が喉頭をみたときから人々の大きな念願になつたとさえ想像され,多くの人々が試みながら,今日なお完全な域に達していない。ここに,吾々は喉頭カメラを試作し,紹介するにあたり,同時にその背景となつた写真技術の歴史をふりかえつてみたい。その歴史の一こま一こまからは,人間の強い意志,ないしは大きな意欲といつたものがひしひしと感じられ,吾々の喉頭カメラもまたこの歴史の流れの一行一頁となることを思うと感概深いものがある。
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