成因に興味ある喉頭肉芽腫症例

　緒言

　1932年Clausenが気管内挿管麻酔後に於ける喉頭肉芽腫の発生を報告して以来，欧米に於て30数例，我国に於ても，多田，大内，林，岩井，窪，松田，未藤，松木，向野，国米，武内，著者等の報告せる20例の症例があるが，今回，著者は，気管支造影のため，気管に挿入されたネラトン・カテーテルに依り発生したたと思われる喉頭肉芽腫症例に遭遇し，その成因に興味を覚えたのでこゝに報告する次第である。