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「胸骨上縁から刺入した気管異物」
執行 孝胤
1
,
富井 至善
1
1労働省関西労災病院耳鼻咽喉科
pp.647-649
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201430
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緒言
気管異物に関する報告は多くあるが,その侵入経路は大多数が口腔から入り,喉頭,声門を経て気管に達したものである。私達は胸骨頸切痕部皮膚から刺入した硝子片が,その大部分は前胸壁内に止り,一部が気管前壁を破つて気管内に突出し,これが新生した肉芽に包まれ管腔を著しく狭隘にして居る珍らしい1例に遭遇し苦心して治癒させた。此の患者は受傷直後から咳嗽を訴えて居たのであるが,受傷後約4週間を経て当科を訪れる迄気管異物を発見されなかつたものである。
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