Japanese
English
症例報告
刺入時不明のまま経過した鋼線による異物肉芽腫
A case of foreign body granuloma caused by the unkown occasion of the wire stabbing
上田 安代
1
,
松中 成浩
1
,
田上 紀子
1
,
上出 康二
1
Yasuyo UEDA
1
,
Masahiro MATSUNAKA
1
,
Noriko TAGAMI
1
,
Kouji UEDE
1
1和歌山県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Wakayama Medical University
キーワード:
異物肉芽腫
,
異物刺入皮膚症
Keyword:
異物肉芽腫
,
異物刺入皮膚症
pp.517-519
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901897
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60歳,女性,元縫製工.電動ミシンでの縫製中ミシン針が折損し飛散することがあった.3年前より右膝外側に黒褐色小豆大の硬結を自覚していたが放置.初診の1週間前より同部に発赤,圧痛を生じ来院.右膝外側に9mm大暗褐色ドーム状に隆起した結節を認め切除.切除時皮下に暗赤色の索状異物を認めたが硬さのため切除できず,用手的に引っ張り約2cmの鋼線を摘出.切除後のX線で鋼線片の残存が確認されたが,今後カテラン針で2方向より位置を同定し切除予定.異物の鋼線の分析では焼入れ組織(マルテンサイト組織)でミシン針に相当する810-862Hv−300gの硬さで針の一種と考えられたが,断面形状の相違によりミシン針とは断定できなかった.自覚的には刺入の外傷歴はない.
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