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Ⅰ.緒言
乾燥性前鼻炎は19世紀末VoltoliniとRossbachによつて始めて臨床的に記載され3),Hajek(1892)5)によりUlcus septi perforansと命名され,同じものをSiebenmann3)はRhinitissica anteriorと名ずけた。この乾燥性前鼻炎の治療に就いてはRibary(1896)19)Hajek5)及びその後の人々が述べている如く種々の原因除去例えば手指による抓把の厳禁,鼻炎アデノイド等の治療化学藥品粉末等刺戟の除去,その他局所的には清掃,諸種の軟膏療法,硝酸銀等による腐蝕又反対にその使用を禁じ,インシユリン局所注射或いは局所の手術的切除等が行われて来た。本疾患は我々が日常屡々遭遇する疾患の1つで治療がはかばかしく行かぬのにさして苦痛がないので少しよくなると患者は通院しなくなり日を経るものが多い。我々は数年に互る治療に拘らずよくならない症例に遭遇し局所より数種の菌が検出されたので,これ迄出現した抗生剤中で最も広い抗菌スペクトルを有し且つ菌の耐性上昇が比較的困難とされている12)。
テラマイシン(以下テと記す)の0.5%軟膏(基剤ワセリン)を塗布して卓効ある事を見出した。そこで更に之を多数例に用いその中53例につき経過を観察し得たのでここにその成績を報告し諸賢の御批判を仰ぐ次第である。
SATO and associates find that, in treatment of the nose for condition known as Rhinitis Anterior Sicca, terramycin suspended in ointment base at the strength of 0.5 % appear to be highly effective. This disease seems to have no predilection towards either sex but, most revalent in the age group falling within and 30. The disease conditions may be classified into that of being acute, chronic or recurrently ute.
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