特集 扁桃摘出の病理と手術
口蓋扁桃切除の病理と臨床に就いての補遺
高橋 良
1
,
鈴木 弘司
1
1慈惠醫大耳鼻咽喉科
pp.737-741
発行日 1953年11月30日
Published Date 1953/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201011
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口蓋扁桃手術の一つとしての扁桃切除術の歴史は古く,現在に於いても相當多數施行されているが,その臨床的意義に關しては未だ多くの疑問と論議が殘されている。即ちその適用の問題は根本的には現在未だ不明のまゝ殘されている扁桃機能の問題と關係を有しているからである。然るに臨床上我々は嘗つて扁桃切除を受けたにも拘はらず依然として,或いは切除後反つて扁桃炎に悩まされて外來を訪れて來る患者に遭遇する。其處で我々にはこの樣な症例に於いて何故に斯くの如き現象が起るのかと云う疑問が當然生じて來た。之の問題に就いて從來少數の先學によつて扁切後の扁桃組織についての組織學的検索が報告されているが扁切の適應の問題とも關聯しての解決は與えられていないので吾々は斯る症例を集め,剔出扁桃に就いての病理と臨床の關聯を追求した處認むべき成績を得たので此處に報告する次第である。
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