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反回神經麻痺は日常よくみる疾患であるが,その原因のはつきりしないことが多い。又原因が判つていても,その原因の除去が必ずしも容易でない。その爲永い間嗄聲又は失聲に悩まされている患者は決して少くない。この際手術的療法が望ましいのであるが,反回神經麻痺殊に原因のはつきりしないものは自然に恢復することも多いので,遂手術の時期を失し,いたずらに時を過してしまうことになる。
現在行われている反回神經麻痺の手術としてはこの神經と頸部に於ける他の運動神經を吻合せしめる方法と,甲状軟骨を外方からおして麻痺聲帶を正中位に移動せしめるPayr氏法,Schmerz氏法等があるが,神經吻合はなかなかうまく行かぬことが多いし,Payr,Schmerz氏法は甲状軟骨の固定がかなりむつかしい。最近慶應大學の林助教授がHalblaryngofissurによつて,麻痺聲帶にパラフィンを注入してよい成績を得たことを報告されているが 我々は,たまたまArch. ofOtolaryngology 55:544-553 1952に掲載されたYrjo Meurmanの方法に從つて肋軟骨片を麻痺側の甲状軟骨と内側軟骨膜との間に挿入することによつて好成績を得た症例を經驗したので,その概要を報告する。
INO and OKAZAKI rep rt that successful treatment of paralised vocal cord due to traumatic injury of recurrent laryngeal nerve has been afforded by an operative measure. Injury of the nerve sustaine3 during a chest operation on the left side was observed for the period of 8 months. The patent was operated upon by a method advanced by Y, Neurman. Through laryngofissure a piece of rib cartilage was inserted between th thyrold cartilage and the perichondrium in their la yngeal as ect, thereby, effecting the paraised co:d to assume midposition.
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