--------------------
慈大耳鼻咽喉科開講60週年—金杉英五郞博士の功績
pp.498
発行日 1952年11月20日
Published Date 1952/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200774
- 有料閲覧
- 文献概要
日本に於ける耳鼻咽喉科の開祖は、金杉英五郞先生であろう。同先生は明治25年独乙から帰朝し、その斬新な專門科名を掲げて東京日本橋久松町に開業(3年頃神田駿河台に転居)と同時に芝の東京病院に於ても講義と診療に従事した。翌26年自宅に研究所を創設して後進を養成し、次いで專門雑誌を発行して有益な論著を掲載した。この研究所が大日本耳鼻咽喉科学会の監触であり、この雑誌が同学会々報の発端なのである。
東京病院は云う迄もなく高木兼寬先生の経営にかゝり今日の慈恵医大附属病院で、即ち本年は慈大耳鼻咽喉科開講60週年に相当する。そこで9月23日慈大講堂に記念講演会及び式典を挙行し、終つて接收解除の丸の内東京会館で祝賀宴会を催した、出席者は主催者側の永山武美慈大学長及び佐藤重一教授を初め、増田徹次、颯田琴次、西端驥一、千葉真一、黑須巳之吉、津田啓吉、小野譲、大藤敏三等諸氏の都下の專門医を網羅し、約2百名を数え、近来稀有の盛会であつた。この式典に因んで、金杉先生について少しく綴つてみることとした。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.