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腸チフス菌性敗血症に続発し,慢性の経過をとつた顆粒細胞減滅症の1例
大石 力三郞
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.405-408
発行日 1952年9月20日
Published Date 1952/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200747
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緒言
顆粒細胞減滅症に関する報告は我国に於ても可成り多く,最早稀有なる疾患とは云えないが,之等症例の経過は多くは急性乃至亞急性で,慢性の経過を辿つた症例は少い。私は極めて慢性の経過で,病初は腸チフスとして医治を受けたが,治癒しない為に結核症等をも疑われて遷延9ケ月に及んで来院し,入院加療中に激烈な腸出血を来して死の転帰を取り,病理組織学的検査で初めて腸チフス菌性敗血症とも云うべき先行疾患に続発した。症候性顆粒細胞減滅症であつた事が判明した興味ある1例を経験したので其の大要を報告する次第である。
OHISHI reports a case of agranulocytosis w-hich proved to be a complication of typhoid septicemia. The patient died with a severe in-testinal hemorrhage. Necropsy was performed.
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