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耳鼻科に於けるL-メチオニンのアレルギー症状抑制効果に就て
白岩 俊雄
1
,
堀江 滋
1
,
井上 隆之
1
1東京医大耳鼻科
pp.440-444
発行日 1951年10月20日
Published Date 1951/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200564
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緒言
ミノフアーゲンC(L-Methionim)は10数年前,アミノ酸とグルクロン酸を主体とした抗アレルギー性剤として出発した物だと云う.之に含硫アミノ酸であるシステインの抗ヒスタミン性を添加して出来たのが,強力ネオ.ミノフアーゲンC(以下強力Cと省記)である.此藥剤は実験によると,血液学的にアレルギー性酸好性顆粒球増多症を抑制し,同時にアレルゲンに因る組織障碍である変性を制禦し,病理組織学的にはシユワルツマン反応に対し,主としてシステインが皮膚或いは肺等のアレルギー病変を阻止すると謂う.
従つて耳鼻科領域に於ける各種アレルギー樣病変又はアレルギー性疾患に対し,殊に局所よりの分泌液や血中にエオジン好細胞の増多を証明し得る樣な場合には,抗ヒスタミン剤を使用すると同樣に,或いは寧ろ更に有効に使用出来るのではないかと考えた.以下少数ではあるが臨床例に就て其の試用成績を略記し,同じ專門の諸彦の御参考に供したい.
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