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皮膚科領域におけるメチオニン・カルシウムの治験
根岸 博
1
,
雀部 將
1
1岡山大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.457-459
発行日 1954年8月1日
Published Date 1954/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201247
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緒言
湿疹様皮膚疾患において,肝機能障碍乃至器質的変化を伴う場合の存することは周知の事実で,Mueller及びOdakeによるSを含むアミノ酸の発見,分離成功,更にBargerとCoyne両氏による合成により,メチオニンの出現を見るに及び,Jackson and Block,Weichselbaum,Rose,Beach and White等の諸氏により,メチオニンは必須アミノ酸であり,動物の生存上不可欠のものとして,その栄養的効果,解毒作用,並びに抗脂肪肝作用等が実験研究されると共に,肝疾患に対する臨床的効果が確かめられて来た。
われわれの教室においては,上記の如き作用を有するメチオニンと更に之に塩化カルシウムの複塩とを,注射液として調製せる,第一製藥のメチカルを,肝機能障碍を伴うと思われる皮膚疾患,並びにアレルギー性疾患に対して,メチオニンの有する必須アミノ酸としての作用,抗脂肪肝作用,解毒作用,更に塩化カルシウムの有する消炎作用,アレルギー性疾患に対する特異作用等を期待して試用したのでここに報告し,大方諸賢の御批判を乞う次第であります。
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