- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
本症は1832年ホドキンが始めて報告して以來注目され,1856年ウィルクスが之と同樣の疾患を公表し,ホドキン氏病と命名した.以來幾多の学者に依り多方面から檢索されたが,本症が惡性腫瘍の性質を有する一方,炎性肉芽性疾患の性質をも有する爲,病理組織学的研究の未熟な時代には,本症に対する一定の概念なく,他の疾患と混同され或いは全く別の疾患として屡々報告されていた樣である.
然るにウィルヒョー(1845)は初めて白血病なる疾患を是等疾患より区別し.コーンハイム(1856)は白血病より仮性白血病を,クンドラート(1893)は,更に淋巴肉腫を分離独立せしめ,亦ステンベルク(1898)は,一種肉芽組織を有する疾患を区別し,「淋巴管の一種固有なる結核」とし,原因を結核菌に帰した.斯樣にしてホドキン氏病の概念は次第に明かにされて來たのである.本症に対する名称もウィルクス以來,学者に依り区々別々であり,其の数は極めて多く,1903年ベンダがマリグネス・グラヌローム.ベンヂャミン及び,グロスがリンフォマトージス・グラヌロマトーザと命名して以來,一般に惡性淋巴肉芽腫と呼ばれるに至つた.然し本態・原因等に関しては,今日尚定説が無い樣である.從來の文献に依れば原因として次の如きものが挙げられている.
Yoshino reports two cases of pharyngeal lym-phogranuloma; in one a woman 39 years old who died after 5 months from the onset of the disease; and the other, a man 20 years of age, who also died in about one since the beginning of tee disease. Lesions in bothe cases were lo-calized in the pharynx and on casual examina-tion, the former resembled a carcinoma, while the latter suggested strongly a lymphosarcoma. Diagnosis of lymphogranuloma was established in each case only after microscopic examination of biopsy specimen were made upon them.
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.