Japanese
English
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腹部大動脈瘤による仮性無尿症
ANURIA DUE TO ANEURYSM OF THE ABDOMINAL AORTA
野中 博
1
,
小口 文郎
1
,
木根渕 清志
1
,
岡田 孝男
2
Hiroshi NONAKA
1
,
Fumio OGUCHI
1
,
Kiyoshi KINEBUCHI
1
,
Takao OKADA
2
1順天堂大学医学部泌尿器科学教室
2順天堂大学医学部第一内科学教室
1Department of Urology, Juntendo University, School of Medicine
21st Department of Medicine, Juntendo University, School of Medicine
pp.833-837
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204431
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I.緒 言
腹部大動脈瘤はそれほど多い疾患ではないが,大動脈と尿路との解剖学的関係から動脈瘤の圧迫あるいはその破裂などによつて腎および尿管に影響を及ぼすことがあり,欧米文献では比較的多数の報告がある。なかでもUhle1)の5症例の報告をはじめ,Lazarusら2)の尿路症状を伴つた腹部大動脈瘤についての綜説,最近ではSzilagyiら3),Pinck4),Culpら5)の詳細な業績がある。然し本邦では楠らの「泌尿器科的症状を主訴とする動脈瘤について」の綜説のほかには詳細な報告はみあたらない。腹部大動脈瘤による種々の泌尿器科的症状のうちで,両側尿管を圧迫してその通過障碍のために仮性無尿を起した報告は極めて少く,欧米文献に僅か3例をみるにすぎない。われわれは最近この稀有な症例を経験したので報告する。
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