Japanese
English
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腎腫瘍と間違われ易い腎盂像を呈した腎盂腎炎の2例
TWO CASES OF PYELONEPHRITIS, SHOWED EXCRETORY PYELOGRAM WHICH DIAGNOSED AS RENAL TUMOR
渡辺 昌美
1
,
塩 暢夫
1
,
川村 俊三
1
Masami WATANABE
1
,
Nobuo SHIO
1
,
Syunzo KAWAMURA
1
1東北大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Tohoku University School of Medicine
pp.829-832
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204430
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I.緒 言
腎盂腎炎が慢性期に移行した場合の静脈性および逆行性腎盂造影像の変化としては,腎実質の萎縮・不平等性菲薄化,腎盂の造影剤排泄遅延・拡張・非対称性,および腎杯の鈍円化・棍棒化・扁平化・拡張・不正変形などがあげられ,その診断は比較的容易である。しかしながら,急性期ないし亜急性期にあつては,本症に特有な形態学的変化はみられず,レ線学的に診断することは困難であることが多い。
私どもは,最近,血尿のみを主訴として来院し,腎盂像で上極腎杯の陰影欠損および上極腎盂領域の圧排・延長をみたため,腎腫瘍の疑いで腎摘出術を施行したが,摘出腎の検索の結果,腎盂腎炎であつた2例を経験したので報告する。
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