Japanese
English
--------------------
新しいウンデシレン酸製剤11-Iodo-10-Undecynoic AcidおよびPhenyl-11-Iodo-10-Undecynoateによる白癬治験
ANTIFUNGAL ACTIVITY OF 11-IODO-10-UNDECYNOIC ACID AND PHENYL-11-IODO-10-UNDECYNOATE, NEW SYNTHESIZED DERIVATES OF UNDECYNOIC ACID, ON DERMATOPHYTOSES
高橋 伸也
1
Shin-ya TAKAHASHI
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.807-815
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204426
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒 言
近年,わが国においては有機水銀化合物を中心とした抗白癬剤の開発,研究がなされて来たが,水銀の経皮吸収による中毒症の発生を契機として,この方面の研究は水銀製剤開発前の状態,すなわちモノオキシベンゾール誘導体,脂肪酸およびその誘導体等が主たる抗白癬剤であつた時代にまで引き戻された憾がある。もちろん,この間においてもナフチオメート製剤,ハロプロジン製剤,抗生物質等の新しい優秀な抗白癬剤の出現をみてはいる。しかしこれらの製剤は,抗菌力の点においても,また治療効果の点においても有機水銀製剤に比べて劣ることは否めない事実であり,したがつて抗白癬剤の研究を有機水銀剤開発以前に立ち戻つて再出発せしめることも有意義なことと考えられよう。
最近,上野その他1)2)はその構造の末端に三重結合をもつウンデシレン酸のエチニル水素をヨードで置換した11-Iodo-10-Undecynoic Acidを合成し,さらにPhenyl-11-Iodo-10-Undecynoateを合成し,いずれも従来抗白癬剤として用いられていたウンデシレン酸,ウンデシレン酸亜鉛より遙かに高い抗菌力と,実験的動物白癬に対する優れた治療効果とを有することを認めた。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.