Japanese
English
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11-ヨード-10-ウンデシン酸製剤による白癬治験
TREATMENT OF DERMATOMYCOSES WITH 11-IODO-10-UNDECYNOIC ACID DERIVATIVES
香川 三郎
1
,
高橋 久
1
,
本田 史朗
1
,
富沢 尊儀
1
,
小林 明博
1
Saburo KAGAWA
1
,
Hisashi TAKAHASHI
1
,
Shiro HONDA
1
,
Takanori TOMIZAWA
1
,
Akihiro KOBAYASHI
1
1東京大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.801-805
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204425
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抗白癬剤の開発は特に本邦において戦後長足の進歩をとげて来た。即ち終戦直後のウンデシレン酸で代表される不飽和脂肪酸製剤に始まり,次いでハロゲン化フエノール剤が従来にない高い制菌力を示し臨床面に応用され,更に有機水銀剤が現われるに及んでその制菌価は100〜1,000万倍と飛躍的に増強し,臨床効果においても,例えば頑癬症例の大半は大約2週間以内にその臨床症状の完全消失をみる程に著効を奏することが一般となつたので,有機水銀剤が抗白癬剤の主流をなすに至つたのである。しかし有機水銀剤の多用は濫用となり,経皮吸収による中毒症例が現れるに及んでようやく反省の期に入り,これに代るべきものとしてナフチオメート剤が新に登場したのである。本剤は臨床効果において有機水銀剤に匹敵するものではあるが,白癬菌のみに抗菌力をもつので,趾間白癬にしばしば類似症状を呈するカンジダ症に対しては無効であるので,その使用の普遍性に欠ける憾みがある。今回科研化学により開発されたヨードウンデシン酸製剤はその制菌力,臨床効果において従来の有機水銀剤に匹敵する結果が得られたのでここに報告する。
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