Japanese
English
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乳嘴形成性汗腺嚢胞性腺腫様母斑の2例
TWO CASES OF NAEVUS SYRINGOCYSTADENOMATOSUS PAPILLIFERUS
中村 絹代
1
,
長島 正治
1
Kinuyo NAKAMURA
1
,
Masazi NAGASHIMA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Keio University
pp.1133-1139
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203931
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I.緒 言
臨床的にしばしば毛細血管拡張性肉芽腫と誤診されることの多い出血性,びらん性の小腫瘤を形成する本症は稀な疾患といえる。
本症の記載は山崎17)によればPetersen (1892年)が20歳女性の片側性母斑の状況を示した症例をMultiple Knäueldrüsengeschwülsteとして報告したのに始まるとされる。我国では大野12)が大正13年,帯状疱疹を主訴とせる70歳男子の頭部に発生した本腫瘍を,原発性汗腺癌として報告したのが最初と考えられ,次いで山崎が48歳男子の頭部に発生した本症を報告し,極めて詳細な文献的考察を加えている。以来今日まで10数例の報告5)7)8)10)11)14)15)16)が追加され,最近では今井4)の総説がある。最近我々も本腫瘍の2症例を経験したので,ここに若干の考察を加え報告する。
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