Japanese
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特集 脳・頸部・胸部の症例
乳嘴のFlorid papillomatosisについて
Florid papillomatosis of the nipple
高橋 希一
1
,
久道 進
1
,
内田 清二郎
1
Kiichi Takahashi
1
,
Susumu Hisamiti
1
,
Seijiro Tchida
1
1東北大学医学部桂外科
1Dept. Surg. Tohoku Univ. School Med
pp.1251-1255
発行日 1964年9月20日
Published Date 1964/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203429
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輸出管乳頭腫症(Duct papillomatosis)は乳腺の輸出管内に乳頭状に上皮の増殖を示したもので,多くは末梢輸出管に見られ乳管の基幹部に形成されることは比較的まれである.それがさらに中枢部の乳嘴内に発生することはむしろかなり珍しいことであり,そのさら本来の輸出管は瀰漫性に増殖した乳頭状上皮細胞群により置換され,あたかも浸潤性発育を思わせもする像を呈する.このような乳嘴の乳頭腫症に対して1955年Jones1)は"Florid papillomatosis"と呼称し,爾来,本症に関する論文が時折り見受けられるようになつた.われわれは10年間の経過をもつて発育した乳嘴部輸出管乳頭腫症の1例を経験したので鑑別診断などの2〜3点につき考察を試みたい.
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