Japanese
English
泌尿器科図譜・174
睾丸嚢腫の1例
EPIDERMOID CYST OF THE TESTIS
西蔭 雄二
1
Yuji NISHIKAGE
1
1日本鋼管病院皮膚科泌尿器科
1Clinic of Dematology and Urology,Nippon-Kokan Hospital
pp.581
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203804
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
症 例 津村某 33歳 会社員 初診昭和38年2月10日
現病歴 約4年前から右睾丸にくらべて左睾丸が硬いのに気付き,最近2ヵ月前から時々鈍痛があつて,某医大を訪れた。左睾上体結核の疑いで手術をすすめられていたが,当院へ入院希望で来院した。既往歴,家族歴に特記すべきことはない。 現 症 右睾丸,睾上体,精管に異常は認められない。左睾丸部は,中央部から下部睾上体尾部にかけて,胡桃大の硬結を解れ,いくらか圧痛がある。皮膚との癒着はないが,睾丸と睾上体尾部との境界は判然としない。左精管に異常はない。以上の所見から左睾丸腫瘍の疑いで,除睾術を施行した。剔出した睾丸の大きさは,4.0×3.0×2.5cmで,その下半部が硬結がある(第1図)。割面では,灰白色,楕円形,核を有せず一部求心性に年輪の如く層をなした,無定形のケラチン様物質の内容である(第2図)。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.