増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
グラム陰性桿菌
パスツレラ属菌—Pasteurella spp.
静野 健一
1
1千葉市立海浜病院臨床検査科
pp.341-343
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208313
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Summary
パスツレラ(Pasteurella)属には十数菌種が含まれ,P. multocidaがヒトを含め人畜共通感染症として最も多く分離される.P.multocidaはヒトを除くほとんどの動物の口腔内に常在し,イヌの75%,ネコのほぼ100%が保菌しているとされ1),イヌ・ネコ咬傷時,受傷から短時間に腫脹,疼痛を認めた場合には本菌の感染を疑う.創傷感染症の他,気管支炎や肺炎などの下気道感染症からも分離され,重症例では敗血症を伴う死亡例も報告されている2).P.multocidaの他,P.canis,P.dagmatis,P.stomatisなどがイヌ・ネコに関連する感染症起炎菌として報告されている.
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