特集 周産期感染症2026
新生児からみた周産期感染症
2.臨床編―各論 病原体からみた新生児感染症
107.セラチア属菌,クレブシエラ属菌
金井 雅代
1
Masayo Kanai
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター新生児部門
キーワード:
Serratia marcescens
,
Klebsiella pneumoniae
Keyword:
Serratia marcescens
,
Klebsiella pneumoniae
pp.491-494
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002523
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はじめに
NICUに入室している新生児は,免疫能が十分に発達していない,皮膚や粘膜のバリア機能が未熟である,中心静脈カテーテルや気管チューブなど医療デバイスの使用が多いなどの理由で,感染症発症のリスクが高い状態にある。また,腸内細菌叢など正常細菌叢が確立していないうえに,抗菌薬に曝露されやすいこれらの児は,薬剤耐性菌の保菌者にもなりやすい。NICUでの治療を要する感染症の原因菌は多岐にわたる。NICU入院中の早産児や低出生体重児における遅発型敗血症の起炎菌のうちグラム陰性桿菌が占める割合は20~30%とされるが1,2),東南アジアの一部の地域ではその割合が70%にのぼるという報告もある3)。3次医療機関NICUにおける院内発症の血流感染症起炎菌となったグラム陰性桿菌のうち,Serratia marcescensは6.5%,クレブシエラ属菌は24%であった4)。またわが国の小児領域において血流感染で検出されたセラチア属菌,クレブシエラ属菌のうち多剤耐性菌の占める割合はそれぞれ6.9%,20.4%とされ5),これらの菌による感染症の治療に際しては常に薬剤耐性菌の存在を念頭に置かなければならない。本稿では,グラム陰性桿菌のうちNICUでの感染対策が特に重要であるセラチア属菌およびクレブシエラ属菌について述べる。

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