Japanese
English
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Papular Mucinosisの1例
A CASE OF PAPULAR MUCINOSIS
長島 正治
1
,
中山 秀夫
1
Masazi NAGASHIMA
1
,
Hideo NAKAYAMA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Keio University.
pp.1099-1105
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203647
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I.緒言
いわゆるムチンが,原発性に皮膚結合織内に蓄積する状態は,従来病因論的に甲状腺を中心とする内分泌系の機能異常と関連する疾患としてあつかわれてきた。そのなかで,甲状腺機能低下症の代表的病型としては,粘液水腫がこれに属し,また甲状腺腫ないし眼球突出を伴う病型としては,いわゆる限局性粘液水腫(Pretibial myxedema,localized myxedema)がある。すでに,著者の1人長島1)は,後者の1例を経験し,これを臨林皮泌12巻10号(1958年)に記載したが,本邦における類似症例は,その後皮膚科領域において渡辺2),大原他3),吉田他4)らにより報告されている。
一方,臨床的あるいは内分泌学的諸検査によつても,甲状腺機能異常が証明されず,しかも原発性にムチンが皮膚に蓄積する疾患は,1935年Ne-umann5)により,Schleimpapel-krankheit(Lichen myxoedematosus)として記載され,その後Dalton6)(1941年)は,類似症例をGeneralized localized myxedemaとして報告している。
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