Japanese
English
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Trichophyton ferrugineumによる手指部白癬1例と趾間白癬2例について
REPORT OF A CASE OF TINEA MANUUM AND TWO CASES OF TINEA PEDIS CAUSED BY TRICHOPHYTON FERRUGINEUM
二宮 聖耳
1
Seiji NINOMIYA
1
1南海鉄道病院皮膚科
1Department of Dermatology, Nankai Tetsudo Hospital
pp.915-919
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203608
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I.緒言
本菌は上林1)が東京において分離,研究し,Microsporum japonicumと命名,1921年はじめて発表したものである。ところがその後の研究によつて,本菌の培養的性質が厚膜胞子を主とし,定型的小胞子菌としての菌学的特性を示さないところから白癬菌属に入れるべきであるとされ,現在ではTrichophyton ferrugineum(鉄鏽色白癬菌)として,Tr. violaceum,Tr. concentricumらとともにTrichophytonの中のFaviformgroupに属せしめられている。
そもそも真菌が生体を犯して疾病を発生する場合,通常菌種と好発部位には一定の相関関係が認められるものであり,本菌とて例外ではない。本菌は主として被髪頭部を犯し頭部浅在性白癬を惹起せしめるが,ときにケルスス禿瘡もみられる。しかしながら被髪頭部以外を犯すことは比較的少ないようである。
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