Japanese
English
--------------------
熊本地方でみられたスポロトリコーシス
A CASE OF SPOROTRICHOSIS IN KUMAMOTO DISTRICT
荒尾 龍喜
1
,
寺尾 好道
1
Tatsuyoshi ARAO
1
,
Yoshimichi TERAO
1
1熊本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kumamoto University Medical School
pp.921-924
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203609
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
Conant et al.1)によるとSporotrichosisはまだ検索不充分な未開地を除き,一般に温熱帯地方にみられる真菌症とされているが,本邦では既に80余例の報告がある。しかし福代等2)(昭和31年)によるとその大半(59例中48例)は東京およびその周辺に検出され,中部(2例),近畿(1例),中国(2例),九州(6例)など関東以外は甚だ少ない。その後蒐集した昭和31年〜36年の6年間の筆者の統計でも31例中3)−9)29例は同じく関東地方に発生,以西の比較的温暖な岡山(1),熊本(1)の2例をかぞえるに過ぎず,山陰,北陸,東北,北海道の各地には余等の渉猟する範囲ではまだ1例の報告なく,些か奇異なる感を抱かしめる。我々は最近本症の熊本地方における第2例目を経験したのでここに報告する。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.