Japanese
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痛風腎の1例
RENAL INSUFFICIENCY IN GOUT
井田 時雄
1
Tokio IDA
1
1横浜市立大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Yokohama University, School of Medicine.
pp.825-829
発行日 1963年9月1日
Published Date 1963/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203588
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I.緒言
痛風は欧米に多く,わが国ではまれな疾患と考えられているが,その発生頻度は,風土,食生活人口構成,診断基準,医師の関心等,種々の因子により左右され,いまだに一定したものをみない。しかるに,Hench (1951)は,関節疾患の5%に大島ら(1962)は,リウマチ様関節炎と診断されたもののうち約4年間に30例(3%)の痛風患者を経験している。このように本症は従来考えられていたほどまれなものではない。特に本症が高度の腎障害を呈し,かつしばしば慢性腎孟腎炎を併発する点,決して見過ごさるべき疾患ではないと老える。
著者は最近慢性腎孟炎を続発した定型的痛風を経験したので報告し,次で尿酸の腎排泄機転と高尿酸血症との関連について文献的考察を行なうとともに,慢性腎孟腎炎に対する尿素療法について述べる。
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