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顔面膿瘍性穿掘性毛包周囲炎について
原田 誠一
1
,
新田 踔男
1
Seiichi HARADA
1
,
Takuo NITTA
1
1日本医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology Nihon University, School of Medicine
pp.735-737
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203568
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I,緒言
膿瘍性穿掘性毛包周囲炎Perifolliculitis capitis abscedens et suffodiensはE.Hoffmannによつて命名されて以来,本症に対する検討が進んで,その侵襲する部位は必ずしも頭部にのみ限ることを要しなくなつた。すなわち顔面にあるいは臀部に本症類似の疾患が発生するという報告があり,殊に加藤1)は本症と毛髪との関係は不可分のものでないとして,かかる類似病変を一括して慢性侵蝕性膿瘍性膿皮症Pyodermia chronica abscendens et suffodiensなる名称が妥当であるとしている。教室の松下2)も臀部に発生した本症を報じ,著者の1人原田3)も同部位に生じた本症3例について報告するところがあつた。
本症に対する解釈が拡大されるについて,今井4),皆見,持尾5)は顔面に発生した症例をあげ,殊に皆見らは集簇性痤瘡との異同に関して詳細に述べている。
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