Japanese
English
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原発性両側精索結核の1症例
A CASE OF PRIMARY TUBERCULOUS DISEASE OF BOTH SPERMATIC CORDS
中神 義三
1
Yoshizo NAKAGAMI
1
1日本医科大学泌尿器科教室
1Department. of Urology.Nihon Medical College
pp.583-587
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203536
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I.緒言
性器結核として副睾丸結核はわれわれの日常多く経験するものであるが原発巣が精索に生ずる場合は稀有である。精索の結核性変化は,多くは副睾丸あるいは精管に結核病巣があつてそれより精索組織が浸潤性に二次的に侵される場合と比較的まれではあるが精索自身あるいは副睾丸近接の血管を中心に一次的な結核病変を精索に招来する場合の二通りが考えられる。後者のごとき原発性精索結核の報告は,外国ではOberndorfer (1931)の報告以来症例も少なくまれな疾患とされている。本邦では1923年深瀬が十全会誌に報告し,次いで石津(1932)の報告がみられ著者例を含め78例を数えるに至つている。また大多数の患側は片側性であり両側性のものは本邦例10例を数えるに過ぎず,両側性精索結核として著者例は本邦11例目の報告となる。最近著者は両側性精索結核の1例を経験したのでここに文献的考察を加え報告する。
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