Japanese
English
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各種アレルゲンエキスによる皮内反応—第1報 即時反応判定基準の1試案
INTRADERMOREACTION TO VARIOUS ALLERGENIC EXTRACTS
小林 健正
1
,
竹内 勝
1
Takemasa KOBAYASHI
1
,
Katsu TAKENOUCHI
1
1千葉大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Chiba Univ. School of Medicine
pp.565-573
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203533
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I.はじめに
皮内反応はPirquet,Moroのツベルクリン表皮内反応の変法として,MantouxおよびMendel(1908)がツベルクリンを注射器で直接皮内に作用させる方法を発表したことに始まる。やがてSchloss(1912)はこの方法をアレルギー性疾患の診断,アレルゲンの検出に導入し,Storm(1922)が人間皮膚鱗屑浸出液を抗原とするいわゆるStorm反応を発表するに及んで,皮内反応はアレルギーの分野で高く評価されるようになり,経皮,刺傷,貼布などの他の皮膚反応より高い陽性度と正確性とを示す(CookeおよびCoca)ことが知られるようになつた。だが皮内反応の診断価値には種々の批判があり,もとよりそれのみで特異的アレルゲンを決定することはできないが,現在なお皮内反応は診断上の補助手段として無視できないことは論を俟たない。ともあれ,皮内反応を施行するに当つて先決となるのはアレルゲンエキスの入手である。しかしアレルゲンの抽出法は必ずしも容易でなく,その刺激性,濃度に対する調整も考慮されねばならないので,一般医家の日常の検査に直ちに応需できない憾がある。すでに外国においては各種のアレルゲンがセットとして販売され,相応の目的を果しているが,我国ではそれらを輸入する以外に容易にアレルゲンエキスを入手する術がなかつた。
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