Japanese
English
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膀胱剔出後の膀胱再建に関する臨床経験
CLINICAL SURVEY OF VESICAL REGENERATION AFTER TOTAL CYSTECTOMY
菊地 金男
1
,
夏目 玲子
1
,
永沼 宏
1
,
国井 康男
Kaneo KIKUCHI
1
1国立仙台病院外科
1Dept. of Surgery, Sendai National Hospital
pp.447-453
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203510
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I.まえがき
膀胱全剔後の尿路再建は膀胱癌の外科治療上もつとも重要な問題であり,各方面から研究されているにもかかわらず,なお満足すべき結果を得ていない。膀胱粘膜が著しい再生能力を有するという特性を利用し,膀胱剔出後尿管をその遣残腔内に開放し,膀胱粘膜の再生を期待する手術を臨床的に応用したのは近年に至つてからで,現在までFolsom1),Sánchez2),Baker3)等の報告があるに過ぎず,本邦においては市川4)が1960年に始めて臨床例を報告してから,わずかに柿崎5)の研究発表をみるのみで,その臨床報告例ははなはだ少ない。
われわれは膀胱癌5例に膀胱粘膜の再生を期待する手術を施行,術後経過を観察し,2例は剖検により膀胱粘膜の再生状態を検索し得たので,その概要を報告し,本手術術式について二,三の考察を加えてみた。
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