増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技
3.尿路変向術
(3)膀胱再建術
回盲部利用膀胱再建術
山中 望
1
,
後藤 紀洋彦
1
,
川端 岳
1
,
下垣 博義
1
,
山田 裕二
1
,
守殿 貞夫
2
Nozomu Yamanaka
1
1神鋼病院泌尿器科
2神戸大学医学部泌尿器科
pp.211-218
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902291
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はじめに
腸管を利用した自然排尿型尿路変向術は,従来の回腸導管や尿管皮膚瘻などの失禁型尿路変向術に比し術後のQOLが著しく向上することから急速に普及し,近年では膀胱全摘除術後の尿路変向術の重要な選択肢の1つになった。筆者らは,1987年に右結腸利用の膀胱再建術(Goldwasser法)をはじめて導入し1),その後,小腸利用のHautmann法やStuder法,S状結腸を利用するReddy法などを若干の修正を加えつつ1996年までに90例に施行してきた。
回盲部利用の膀胱再建術としてはGoldwasser法以外に,この変法であるMansson法2)や尿道吻合型Mainzパウチ3)などがあるが,基本的な手術操作にはあまり大きな差異はないので,本稿では,回盲部利用膀胱再建術としてGoldwasser法を取り上げ,その具体的な手術手技と考え方,さらに長期観察例における新膀胱の機能について述べる。
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