Japanese
English
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腹膜後腔腫瘍—神経線維肉腫症例
RETROPERITONEAL TUMOR : A CASE REPORT OF NEUROFIBROSARCOMA
阿部 厚三
1
Kozo ABE
1
1市立赤平病院皮膚泌尿器科
1Dept. of Urology & Dermatology, Akabira Municipal General Hospital
pp.461-465
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203511
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I.緒言
腹膜後腟腫瘍は他の一般腫瘍と比較してその頻度はかなり低い。しかし幼児から老年に至るあらゆる年齢層に発生し,しかも本腫瘍特有の症状はなく,ある程度増大してから周囲臓器を圧迫し,はじめて症状を呈するものが多い。このために診断時すでに手術不能である例も少なくなく,したがつてその臨床的意義は大きい。また組織学的にも多種多様をきわめ同一腫瘍でも2種以上の要素から構成される場合がありその分類も一定していない。本腫瘍の報告は本邦でもすでに350例以上に達しているといわれ(楠1)),稀有な疾患とはいえないが,われわれは今回骨盤内に発生して本症には比較的少ない泌尿器症状を呈した神経線維肉腫症例に遭遇したので,症例を報告し同時に多少の文献的考察を試みたいと思う。
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