増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技
3.尿路変向術
(3)膀胱再建術
回腸利用膀胱再建術
上島 成也
1
,
松田 久雄
1
,
秋山 隆弘
1
,
栗田 孝
1
Shigeya Uejima
1
1近畿大学医学部泌尿器科
pp.201-210
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902290
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はじめに
腸管利用の尿路変向術として,回腸導管が半世紀にわたり施行されてきた。近年,手術の技術向上に伴い,膀胱全摘除術後の尿路変向術の1つとして自然排尿型尿路変向術が施行されるようになり,患者の術後のQOLが著しく向上するようになった。特に小腸を利用した自然排尿型尿路変向術には,Kock pouchを尿道に吻合するurethral Kock法,回腸をN字型に配列するStuder法1),ならびにW字またはM字型に配列するHautmann法2)などがある。しかし,それぞれの原法には色々と問題が多く,それぞれの施設で修正されつつ施行されている。筆者は,当初はHautmann原法に準じて行っていたが,新膀胱の形態的異常から残尿が生じ,自己導尿に至る症例を経験したので,現在では鳶巣の方法3)に準じている。
本稿では,そのHautmann変法について解説する。なお,自然排尿型尿路変向術に先立つ骨盤内リンパ節郭清術ならびに膀胱全摘除術については別項を参照されたい。
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