文献紹介
コルチコイド軟膏の副作用/栄養失調による爪の帯状着色
pp.228
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203462
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コーチゾン誘導体の外用療法において吸収による全身への影響の有無に関しては異なる報告がなされている。ある報告者はハイドロコーチゾンの外用は全く副作用を示さなかつたというが,他の者はフルオルハイドロコーゾンの使用によつてナトリウム蓄積と浮腫とを観察したという。それらの人によつて明らかにされたのは,吸収量は1)コルチコステロイドを含有する基剤と2)使用した軟膏の総量とに関係するということである。吸収による現象はフルオルコーチゾン1日30mg以上という大量を外用した症例において始めて発現している。それ故小範囲の湿疹に使用した位では副作用は全く起らぬと考えられる。しかし従来の副作用報告例は多くは肛門湿疹または陰門湿疹の患者であつて,その場合には大量の軟膏が使われたとみて無理がない。(Schuppli, R.:Nebenwirkungen bei längerer Anwendung von corticoidhaltigen Hautsalben, Dtsch. med. Wschr., 87. Jg., 1686, 1962)
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