Japanese
English
--------------------
尿路結石症—第2報 X線廻折
UROLITHIASIS, Ⅱ :X-RAY DIFFRACTION
近藤 賢
1
,
内藤 政男
1
,
三木 信男
1
Masaru KONDO
1
,
Masao NAITO
1
,
Nobuo MIKI
1
1関東労災病院泌尿器科
1Department of Urology, Kanto-Rohsai Hospital
pp.765-770
発行日 1962年9月1日
Published Date 1962/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203346
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
尿路結石の晶質成分の化学的組成を知り,更にその結晶構造を知ることは尿路結石研究の重要な分野である。検査対象をその晶質成分に限定すればそれは無機物質であり,進歩した岩石学や結晶学における検査方法をそのまま利用することが可能である。すなわち偏光顕微鏡(岩石学用顕微鏡),電子顕微鏡を用い,石英分光分析,赤外線分光分析を応用し,又X線線維写真法,X線廻折法を利用した尿路結石の晶質成分に関する報告が数多くなされている。本邦においては永井(1943),関村(1949),鳥越(1955),南(1955),加藤(1956),為政(1958),中込(1958),高崎(1959),麻生田(1959),藥(1960)の報告がある。1943年以後におけるこれら10報告において採用された検査方法を採用回数の多い順にあげればX線廻折法(10中8),分光分析(10中6),顕微鏡検査(10中6),化学分析(10中4),X線線維写真法その他(10中各1)である(第1表)。この様に本邦においては尿路結石の晶質成分の検索にX線廻折法が最も多く採用されている。このX線廻折法には写真法とGM法とがあり,従来は写真法が行われていた。第1表においても高崎のGM法による報告を除いては残る7報告とも写真法を行つている。しかし現在では種々の理由からGM法の方が正確且つ精密なものとして一般に採用されている。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.