Japanese
English
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フイラリア症の1例
A CASE OF FILARIASIS
佐藤 淳一
1
Juniti SATO
1
1岩手県立中央病院泌尿器科
1Dept of Urology, Central Prefectural Hospital Iwate
pp.343-346
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203262
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I.はしがき
乳糜は消化時,特に脂肪消化時に於ける腸のリンパであり,吸収した脂肪が乳化した状態で多量に含まれているため白濁して見えるリンパである。この乳糜の流れる道は腸のリンパ管から発して腸リンパ本管を経て胸管に注ぐのであるが,この乳糜が本来とは異つた道を通つて尿路に注ぎ尿に混じて牛乳状に白濁した尿を排出するのを乳糜尿と云う1)2)。
この乳糜尿を来す原因は第一表の如き種々のものを上げ得る3)。しかし表の中の非寄生性の原因による乳糜尿は極めて稀であり,特に認むべき疾患がなく特発性に起つた乳糜尿はフイラリア症の極め手がなくしても一応寄生虫性のものと考えて大凡誤まりがないとさえ言われている。
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