Japanese
English
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フルコート・クリーム(Fluocinolone acetonide)の試用経験
CLINICAL USE OF FLUCORT CREAM (FLUOCINOLONE ACETONIDE)
野原 望
1
,
大森 純郎
1
Nozomi NOHARA
1
,
Sumio OHMORI
1
1岡山大学医学部皮膚科教室
1Departmant of Dermatology, Okayama University Medical School
pp.125-129
発行日 1962年2月1日
Published Date 1962/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203220
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I.はじめに
Syntex化合物RS-1401 AT,化学名6α,9α-Difluoro-16α-hydroxy-prednisolone-16,17-ac-etonide,一般名Fluocinolone acetonide,商品名フルコート・クリーム(田辺)は,下記のような化学構造を持つ最も新しい合成副腎皮質ホルモンであつて,その強力な抗炎症性作用はHydrocorti-soneの50〜100倍と云われる。
周知の如くCortisone以来副腎皮質ホルモンの優れた抗炎症作用,抗アレルギー作用は,独り皮膚科領域にとどまらず,周く一般治療界に賞用されているものの,反面その薬効機序のmorbidi—staticな性格から再発,再燃の問題,或いは又長期連用による副作用(浮腫,胃腸障碍,感染症,精神症状その他)に対する危惧,更に最近ではiatrogenic adrenocortical insufficiencyの問題などが根強く残され乃至は新に提起されている現状である。一方副腎皮質ホルモンの外用療法が,殊に皮膚科領域において,それ自体極めて有用な主として抗炎症的治療法であることは勿論言うまでもない事実であるが,更に,上述の如き種々の問題を包蔵しているコルチコイド全身療法(内服,注射)からの離脱法としても少なからず価値がある。
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