Japanese
English
--------------------
前立腺炎に起因する腎疝痛症の3例
3 CASES OF THE RENAL COLIC DUE TO PROSTATITIS
宇野 博志
1
Hiroshi UNO
1
1大阪医科大学皮膚泌尿器科教室
1Department of the Dermato-Urology, Osaka Medical College
pp.405-408
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203049
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
泌尿器科領域,殊に尿路疾患に於て,疝痛は重要な臨床症状の一つである。疝痛を来す疾患として最も多いものが,上部尿路結石症であることは今更疑う余地も無いが,其の他殆どすべての尿路疾患が,直接或は間接に尿路疝痛を惹起する可能性があり,尿路疝痛の鑑別診断は時に非常に困難な場合がある。それは尿路の解剖並に生理にもとずくものであることは申すまでもないが,又其の位置的関係が上部尿路は後腹膜腔に存在するも,尿管の大部分は腹膜に接し,更に下部尿路は男女を通じて性器との関係が密接であることも見逃すわけにはゆかない。
尿路疾患に於ける疼痛のうち,上部尿路疾患に典型的とされている腎尿管疝痛の発現頻度をみると,辻(1955)の統計に依れば,主訴としての疝痛は泌尿器科外来患者の約2.5%に見られ,其の272例に於ける疾患別分類は第1表の如くである。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.