Japanese
English
--------------------
コンドロンによる脱毛症の治療
TREATMENT OF ALOPECIA WITH CHONDRON
中野 進
1
,
岡 幸広
1
,
幸田 弘
1
S. NAKANO
1
,
H. OKA
1
,
H. KODA
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Medical Faculty, Kyushyu Universtity
pp.319-323
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203032
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
脱毛症には比較的多くの種類があるが,それらのすべてが薬物療法の対象となるわけではなく,薬物療法の適応となるものは,円形脱毛ほか2・3にすぎない。円形脱毛は皮膚疾患のうちでも比較的頻度の高い疾患であり,患者に肉体的苦痛をあたえることはまつたくないが,多少なりとも精神的苦痛の原因となる場合が多い。本症の治療法として現在おこなわれているものは,全身的には各種のホルモン療法,局所的には理学的療法,外用療法,局所注射による各種の刺激療法などがこころみられているが,かならずしも充分満足すべきものばかりではない。脱毛症はその性質上とくに長期間の治療を必要とし,しかも再発あるいは治療中における病勢の進行をみとめる場合も少くない。したがつて,よりすぐれた治療あるいは薬剤の発見がたえずのぞまれているであるが,現在なお充分に満足すべきものがない。われわれは,コンドロイチン硫酸製剤コンドロン(科研)を脱毛症の患者にもちいて,比較的良好な成績をおさめたので結果を報告する。なお本剤の毛髪におよぼす影響を,動物実験により観察したのでその結果をあわせ報告する。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.