Japanese
English
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T-245SおよびT-245DS-エアロゾルの皮膚疾患への応用
ADMINISTRATION OF PREDNISOLONE BY THE AEROSOL METHOD IN THE TREATMENT OF SKIN DISEASES
江本 侃一
1
,
武田 克之
1
,
清水 庸久
1
K. EMOTO
1
,
K. TAKEDA
1
,
T. SHIMIZU
1
1徳島大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Dept. of Dermato-Urology, School of Medicine, Tokusima University
pp.325-332
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203033
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I.まえがき
皮膚科領域における外用療法は多くの新しい軟膏基剤の登場と,抗生物質および副腎皮質ホルモンの応用により長足の進歩を遂げた。とくに後者ではHerzog氏らによつて合成されたプレドニゾロンがハイドロコーチゾンにみられるような浮腫・多毛症・痤瘡発生など副作用が少なく,しかも強力な抗炎症・抗アレルギー作用,抗拡散作用,antimesenchymal actionにより各種の皮膚疾患に非常な好影響を与えることが各方面から実証されている。また前者についても,親水軟膏に始まる吸水軟膏,ローション基剤などの発表によつて,従来の油性軟膏を主体とする外用治療も大きく変貌をとげた。これら軟膏基剤については本邦においては,小堀氏,高野氏らの基礎的研究があり,それらに関する臨床的経験も無数に報告されているが,今回外用療法の全く新しい一形式として水剤の粉霧散布法がプレドニゾロンを主薬として臨床的に応用されるに至つた。
すなわち武田製薬より提供されたT-245Sエアロゾル(プレドニゾロン)およびT-245DSエアロゾル(プレドニゾロンと硫酸デキストロマイシン含有)がこれである。私共は本剤を皮膚炎・湿疹を主体とする64例の皮膚疾患患者に使用して,現在賞用されているコルチコステロイド並びに抗生物質添加軟骨と同様,あるいはこれに優る優秀な成績を得たので報告することにした。
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