Japanese
English
原著
皮膚疾患の副腎皮質ホルモン療法の長期観察
THE TREATMENT OF SKIN DISEASES WITH ADRENOCORTICAL HORMONES (LONG TERM OBSERVATION)
西尾 一方
1
,
中野 進
1
,
岡 幸広
1
,
矢幡 敬
1
Kazukata NISHIO
1
,
Yukihiro OKA
1
,
Susumu NAKANO
1
,
Takashi YAHATA
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1The Dermatology Department, Medical Faculty, University of Kyushu
pp.855-863
発行日 1961年10月1日
Published Date 1961/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203147
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I.緒言
コーチゾン,ハイドロコーチゾンの出現以来,従来難治とされていたある種の疾患も,きわめて簡単に治療しうるようになり,とくに皮膚疾患のうちには本剤の使用適応となる疾患がきわめて多く,皮膚疾患治療面において一新時代を劃するにいたつた。副腎皮質ホルモン剤として最初に出現したコーチゾン,ハイドロコーチゾンについては,その後あいついで種々の誘導体が発見され,その効果はよりすぐれたものとなり,副作用はより少いものとなつてきた。しかしながらこれら,一連の薬剤の使用法はかならずしも容易ではなく,ひとたびその使用法をあやまると,その後の治療は繁雑なものとなり,むしろ抗療的となる場合さえもある。もつとも,副腎皮質ホルモン剤の使用法に関しては一応の原則がたてられており,それにのつとつて現在まで治療を続け,前述のごときすぐれた治療効果を期待しえたわけであるが,その従来の使用法がはたしてもつともすぐれた治療法であるか否かという問題,あるいは細部にわたつての使用法に関してはなお充分に検討されていないようである。われわれはこれらの問題について,過去3年間にわたる統計の結果および最近数カ月にわたつてこころみた種々の検査成績を参考として検討したので,それらの結果を報告する。
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