Japanese
English
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脊椎披裂による尿路障碍
UROLOGIC PROBLEMS IN SPINA BIFIDA
森脇 宏
1
,
青木 敏郎
1
Hiroshi MORIWAKI
1
,
Toshiro AOKI
1
1神戸医科大学皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology & Urology, School of Medicine, Kobe Medical College.
pp.13-21
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202966
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I.はじめに
Spina bifidaは1641年Tulpiusに依つて初めて命名された疾患で,小児に於ける頻度は可成り高く,正常人でもその20%は脊椎骨のいずれかに軽徴の欠損を有するほどである。骨欠損の程度及び椎管腔内容の病変によつて通常1) Spina bifi-da occulta,2) Spina bifida with meningo-cele,3) Spina bifida with meningomyelocele4) Spina bifida with rachischisisに分類され1),1)は多くはレ線的にのみ診断される他,屡々器質的夜尿症を惹起する事で知られ,塚田等2)は732例中56.76%に之を認め,又鎌田等3)は成人夜尿症の半数以上は,本症に起因するとも述べている。2)及び3)は髄膜嚢を有し,嚢内容による圧迫,牽引によつて明瞭な神経障碍を発生し,4)はその重篤性の故に生存困難な点からみて,泌尿器科的問題を提供するのは生として2)及び3)の嚢腫型である。之等は脊椎骨のいずれの部位にも起り得るが,発生学的にも腰仙部背面に多く4) Kennedy等5)も27例中頸椎のもの僅か1例で他はすべて腰椎部と記載している。
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