Japanese
English
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発熱を主症状とした副腎腫
HYPERNEPHROMA ASSOCIATED WITH FEVER AS A PROMINENT SYMPTOM : A CASE REPORT
久住 治男
1
,
向来 義彦
1
Haruo HISAZUMI
1
,
Yoshihiko KORAI
1
1金沢大学医学部泌尿器科
1Dept. of Urology, School of Medicine, Kanazawa University
pp.367-370
発行日 1960年4月1日
Published Date 1960/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202803
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I.緒言
従来,血尿,腎腫瘤,疼痛の3症状が腎悪性腫瘍の主な臨床症状として強調されてきたが,経過中,全く症状の発現しないものも5〜10%存在するとされ,しばしば診断に困難を来した症例の報告も散見される。一方,臨床症状としての発熱に関しては,一般に等閑視されている傾向にあるが,楢原(1958)の如く腎悪性腫瘍と発熱の関係に注目した論文も見られ,発熱が初発症状として現われ,しかも長期間持続し,また唯一の症状であつた稀有な症例も報告されている。我々は約6ヵ月前発熱ならびに貧血を以つて発病し,内科的に左腎膿瘍の疑と診断された症例を検索したところ,発熱を主症状とせる副腎腫であつた1例を経験したので報告する。
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