特集 ここまでできる! プライマリケア―領域別で考えるプライマリケア医と専門医の役割
第9章:糖尿病・代謝・内分泌
副腎偶発腫
一城 貴政
1
1済生会横浜市東部病院 糖尿病・内分泌内科
pp.989-994
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_989
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プライマリケアでここまでできる!
・内分泌学的スクリーニングとして,subclinical Cushing症候群(CSC),原発性アルドステロン症,褐色細胞腫,副腎がんのスクリーニングとして,早朝ACTH,コルチゾール,1mg dexamethasone抑制試験,活性型レニン濃度(またはレニン活性),アルドステロン,血中メタネフリン分画(または随時尿中メタネフリン分画/Cr),DHEA-S測定により,ホルモン非産生腫瘍であることを確認する.
・全副腎偶発腫の50%以上を占めるホルモン非産生腺腫であれば,CTなどの画像検査と内分泌学的検査を定期的に行い,最初の1年間は半年ごと,以後1年ごとに5年間にわたって経過観察することが推奨される.
ここからは専門医に任せよう!
・上記の内分泌学的スクリーニングで各疾患が疑われる場合は,専門医に任せよう.
・腫瘍径が4cm以上,経過観察中の5mm以上の増大,単純CT値>10HU,辺縁不整,不正な造影効果が認められれば,副腎がんの可能性を考慮して専門医に紹介しよう.

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