Japanese
English
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皮膚科領域に吾けるメチコリンの治験
CLINICAL EXPERIENCE WITH METHICHOLIN IN DERMATOLOGY.
高橋 章
1
Akira TAKAHASI
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Dermatological Department, Faculty of Medicine, Niigata University
pp.1429-1434
発行日 1959年12月1日
Published Date 1959/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202728
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緒言
1921年Mueller1)は蛋白質加水分解物中に連鎖球菌発育素の一種を発見し,含硫アミノ酸である事を確認した。1928年Barger & Coyne2)等は化学的にこれを合成し,メチオニンと云う名前をつけた。更に1937年Tu-cker & Eckstein3)等は,メチオニンに抗脂肝作用のある事を報告し,翌年Rose4)等は必須アミノ酸であると主張した。1941年に到り,Du Vigneaud5)は重水素を用いて,メチオニン→コリンの反応即ちメチル基転位機構を発見した。
以来メチオニンは,唯一の硫黄を含む必須アミノ酸として,特異な生理機能を営み,メチル基転位,体内解毒機構等に関与し,蛋白質の演ずる複雑なる生理作用の重要な一翼を担うものとして,大きくクローズ・アツプされて来た。最近この応用範囲は拡大の一途をたどり,臨床治療は勿論,予防医学の面にも大きく発展しつつある折柄,この度住友化学の提供に依り,メチコリンを2,3皮膚疾患に対して使用してみたが,その治療効果が比較的良い様に思われたので報告する。
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