名誉会員を訪ねて・6
鯉沼茆吾先生に聞く
pp.556-568
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202579
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編集部 先生は衛生学会の名誉会員でいらっしゃるんですが,長いこと衛生方面にご活動なすっていらっしゃる。きょうは先生を中心として,先生の歩んでこられた衛生学会の歴史のようなことをお伺いしたい。また今後の衛生学会はどうあったらいいかというようなことも,折にふれてお話しいただきたいと思うんです。先生,学校をご卒業になってすぐに衛生学教室にお入りになっているんですが,まず衛生学教室にお入りになった動機のようなことからお伺いしたいと思うんですが,先生は大正6年に大学をご卒業になって翌年すぐ衛生学教室にお入りになっているわけですね。
鯉沼 そうです。12月に出まして,1月から入ったんです。今でもそうでしょうけれど,いろんな教室のジッツが出ましてね。それにみんな希望を入れていくわけでしょう。どこへいったらいいか。(笑声)困っちゃって主な臨床はもうふさがってくるし,席の関係で。私は生化学をやりたかったんですが,生化学に入ると長くかかるでしょう。2,3年勉強しなきゃならん.それだけの資力がないんです。それで早く世の中に出る方法ということで,その当時衛生学教室にクルズスというのがあったんです。主として細菌学の修練ですが,3カ月それを勉強してそれから社会に出ようというわけで,衛生学というよりは細菌学の勉強ですが。石原房雄さんが大体の指導でね。
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