Japanese
English
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帯状疱疹のγ-グロブリン療法の経験
TREATMENT OF HERPES ZOSTER WITH GAMMA GLOBULIN
長谷川 真常
1
Masatsune HASEGAWA
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology, Kanazawa University, School of Medicine
pp.1265-1268
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202691
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最近化学・抗生療法の発達に伴いTetracyclin群抗生物質のような所謂broad spectrum anti-bioticsも現われたが,Virus中Tetracyclin群抗生物質に感受性を有するものは,例えば鼠径淋巴肉芽腫症宮川小体のような大型のものに限られている。帯状疱疹に対しTetracyclin群抗生物質が有効であるとする報告はあり,我々自身も之の有効に作用したかの印象を受けた場合もある。然し乍らTetracyclin群抗生物質が果して帯状疱疹に対し有効であるか否かに就いてはなお疑問を抱く学者も少くない。又具体的にその作用機序は解明されてないが,その有効性とVirusの大きさとの間には相関関係の無いと云われる抗virus性化学療法剤PANS-No.610につき安田氏等1)は,一部のvirus性皮膚疾患には有効だが,帯状疱疹単純性疱疹及び水痘に対しては無効であつたと述べている。
帯状疱疹の対症療法としては,アセチルサリチル酸,サリチル酸アミドなど鎮痛と解熱を兼ねた療法が一般に推奨せられ,或いは更に苦痛を軽減するために抗ヒスタミン剤若しくは更にTran-quilizerをも併用することなども行われている。Corticosteroid製剤も亦帯状疱疹皮疹に抑制的に作用し,速やかに苦痛を軽減すると同時に,皮膚組織の破壊に因る瘢痕形成を予防する等の効果のある事は川村氏等2)の報告に明らかである。
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